活動報告

2016.10.12  酒井宏明議員の討論全文 


 日本共産党の酒井宏明です。発議案議第13号および14号に反対する討論を行います。

 まず、八ツ場ダムの早期完成と道路整備の予算確保を求める意見書についてです。
八ツ場ダムの基本計画発表から30年の間になんと5回もの計画変更です。工期は19年も延長、事業費は2.5倍に膨れ上がりました。日本経済新聞も計画のずさんさを指摘せざるをえないほどです。
 これまで県は、国の計画変更に際し、「総事業費の圧縮を図ること」や「早期の完成を期すこと」という意見を何度も付して同意してきました。しかし、ことごとく裏切られてきたではありませんか。

 前回2013年の計画変更の際、国交省は事業費増額の必要なしと判断し、工期延長のみを行いました。公共事業の増大や消費税増税に伴う資材の高騰や労務単価の上昇などは、当時も十分予測できたことです。地盤の脆弱性による地すべり対策費の増大なども当初から指摘されてきたことです。事業費増額を盛り込まなかったのは、関係都県の反発をやわらげるための方便だったのでしょうか。今になって720億円も増額、群馬県の負担も33億円増の249億円以上になることに、国民・県民の理解はとうてい得られません。
 
 しかも意見書案の言う「中止の迷走がなければすでに完成した」というのは、根拠のない、いいがかり以外のなにものでもありません。当時の民主党政権の迷走による一時的な工事中断があったにしても、ずさんきわまりない八ツ場ダム建設をごり押ししてきた歴代自民党政権と追随してきた群馬県政の責任を免れることはできません。首都圏の水も余り、洪水調節の役にも立たず、地すべりを誘発しかねない危険な八ツ場ダム。浪費を重ね、将来の世代にばく大な負の遺産を押し付ける八ツ場ダム。今からでも遅くはありません。ダム事業と切り離した生活再建をすすめるとともに、本体工事を速やかに中止するよう強く求めます。

 県内の道路関係・公共事業予算の増額要求についてですが、相変わらず「7つの交通軸」などの大型開発を国と一体となって推進しようとするものです。東京一極集中をさらに加速させ、ストロー効果によって地方の衰退と疲弊をいっそう拡大させることになりかねません。

 公共事業政策で大事なのは、国民のいのち・安全、暮らしに必要な事業は何か、何を優先すべきかを見定めることではないでしょうか。2012年に発生した中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故は、高度経済成長期に建設されたインフラ構造物の点検、維持修繕・更新が喫緊の課題であることを浮き彫りにしました。人口減少や危機的な財政状況、大規模災害、社会資本の老朽化が進行する中、新規の大型開発を中止・抑制し、防災・減災、老朽化対策などに予算の使い道を抜本的に切り替えることこそ求められています。そうすれば予算を大幅に増やす必要はありません。よって、本意見書の採択に反対です。

 つぎに地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書についてです。
試算では、群馬県議会議員が共済組合を通じて厚生年金に加入した場合、事業主負担分、つまり県の負担は合わせると年間、億単位になる見込みです。地方議員の厚生年金加入を一概に否定するものではないものの、新たな税金投入に県民の理解を得られるか疑問です。

 こうした意見書案が出される背景には国民年金の受給額があまりにも低い現実があります。「安心して議会活動に専念できるよう社会保障制度の充実が求められる」というのなら、低すぎる受給額の底上げ、最低保障年金の導入などで「頼れる年金」を実現するよう国に働きかけることこそ先決ではないでしょうか。さらに年金積立金の株式への投機的運用を中止するなど、年金制度に対する国民の不信、不安を払しょくする施策が求められています。

 ましてや現在、富山県など地方議会での政務活動費や政党助成金の不正取得問題、閣僚や国会議員による領収書偽造などの不正発覚が相次ぎ、国民の強い批判を受けています。議会として真っ先に行うことは、徹底した情報公開で透明性を図り、不正根絶に向けた取り組みを強化することではないでしょうか。金権腐敗政治の温床となっている政党助成金はきっぱり廃止すべきです。

 議員報酬の少ない町村議員などへの手立ては別途考慮する必要があるとしても、現時点での厚生年金加入は時期尚早であると考えます。よって、本意見書の採択には反対です。
以上で、私の反対討論を終わります。


日本共産党群馬県議団

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