活動報告

2017.10.24  スラグ地下水汚染/汚染招いた環境行政に反省なし 
          決算特別委総括質問で伊藤県議が追及 

 10月24日の決算特別委員会総括質問で、伊藤祐司県議が、渋川市の小林製工運送株式会社の有害スラグによる地下水汚染問題を集中的に追及。県の環境行政の怠慢を浮き彫りにしました。
 大同特殊鋼渋川工場から排出されたスラグを長年にわたり埋め立ててきた、小林製工の廃棄物最終処分場で、六価クロムによる地下水汚染が問題となっています。同処分場では現在、くみ上げられたタンクローリー20台分/日の汚染水が、大同特殊鋼に運ばれて処理されています。この汚染水には、これまでの調査で、最高で環境基準の50倍にもなるような六価クロムが含まれています。
 質問で伊藤氏は、県の指導により産業廃棄物処理の認可を持たない大同特殊鋼が処理をしていることについて、「県の対応は違法行為の教唆だ」と批判し、大同が処理をする法的根拠をただしました。環境森林部長は、明確な根拠を示せませんでした。
 地下水が汚染された場合、環境基準で定められている25種類の特定有害物質について、測定が必要です。県は、フッ素の値について小林製工と大同が独自測定していることを明らかにしましたが、測定値の公表については、「(最終処分場の技術上の基準を定める環境省令の)検査項目とされていない。事業者で独自に検査しているもの」だと述べました。
 伊藤氏は、「処分場の保有水ではない、はるか下の地下水汚染だ。土壌汚染が進んでいると考えなければいけない」と指摘。業者まかせでなく、県が測定し、結果を公表していくよう強く求めました。
 さらに、地下水汚染のレベルから見ても、埋め立てられていた廃棄物が、本来であればこの処分場で処分できなかった可能性が極めて高いと指摘し、現在改善工事のため移動されている廃棄物を調査するよう要求。森林環境部長は、地下水汚染について「様々な要因が推測できるが、あくまでも推測の域を出ない状況」と答弁。伊藤氏は、「それならば推測≠ナはなく、検査をして、違反して埋め立てていたのかどうなのかをはっきりさせればいいではないか」と迫りました。
 部長が、「埋め立て処分から年数が経過し、基準に適合していたかを確認するのは難し」との見解を示したのに対し、「そこにあるものを調べて判断すればいいではないか。悪徳な法違反をしたかもしれない業者を守るのか。そういう立場で環境行政をやられたら、群馬の環境は守れない」と強く批判。05年に地下水汚染が明らかになった時点から対処を怠り、業者に操業停止の措置も原状復帰の改善命令も、住民に対する情報提供もしてこなかった県の対応に猛省を促しました。

日本共産党群馬県議団

〒371-8570
群馬県前橋市大手町1-1-1

TEL 027-226-4170
FAX 027-226-6550