UPS(バックアップ電源)

※Linuxのext2ファイルシステムは、ext3やReiserFSと異なり、
 ジャーナル機能がありませんので、運用中の電源断は致命的
 です。必ずUPS(バックアップ電源)をつけるようにしましょう。
 最近のは単に電源をバックアップするだけでなくて、RS-232Cに
 専用のケーブルを接続することにより、一定時間後に自動的に
 shutdownしたり、商用電源復旧後に自動的にマシンの電源を
 ONにしたりもできます。


ここでは、APC社の「SmartUPS 700J」を例に
接続方法をご紹介いたします。なお、管理画面を
利用するには、X-Windowが必須です。


【ダウンロード】
付属のCDのものはRedHat7.3専用みたいなので、
インターネットからソースをダウンロードします。
(アンケートと無料の個人登録画面を経て得られます。)
http://ss.apc.co.jp/Download/

最新の「linux4521_glibc_42100.tar」をダウンロードします。
(TurboLinux Server 6.1 は、v4.5.3は使用できません)


【展開】
# cd /usr/src
# mkdir APC
# cd APC

先にダウンロードしたファイルをここにコピーしておきます。

# tar -xvf linux4521_glibc_42100.tar

【インストール】
※必ずrootにて作業してください。

# ./INSTALL

いくつか質問をしてきますので、答えてください。

1.メディアを聞いてきますので、とりあえず「1」のCD-ROMを
 選択します。

2.インストール先はデフォルト(/usr/lib/powerchute)で
 よいのでEnterします。

3.説明を表示しながらすすむかを聞いてきますので、
 「Y」を入力します。

4.説明がページ単位で表示されますので、読みながら
 何かのキーを押し、最後にEnterします。

5.デーモンと管理ツールの両方をインストールするので、
 「3」を入力します。

6.Smart-UPSの「2」を選択します。

7.「Measure-UPS」かを聞いてきますので、「Y」を
 入力します。

8.OSは「14」のLinuxを選択します。

9.TCP/IPの利用可否を聞いてきますので、「Y」ほ選択
 します。

10.管理画面の色設定を聞いてきますので「1」の
 色付きを選択します。

11.シリアルポートを選択します。
 COM1なら「1」の「/dev/ttyS0」を、
 COM2なら「2」の「/dev/ttyS1」を選択します。

12.インストール先を聞いてきますが、
 デフォルトのまま(/usr/lib/powerchute)で良いので
 Enterします。

13.実行権限をrootにするかを聞いてきますので、「Y」を入力。

14.rootにメールを送るかを聞いてきますので、「Y」を入力。

15.HTMLドキュメントをインストールするかを聞いて
 きますので、「Y」を入力。

16.WEBブラウザを聞いてきますので、デフォルトの「netscape」を
 選択し、Enterします。

17.今までの設定が表示されるので、良ければ「Y」を入力。


以上でインストールは終わりです。
デーモンを起動するため、再起動してください。
# shutdown -rf now

再起動後、デーモンが起動しているかを確認
してください。

# ps aux | grep _upsd

「./_upsd」が表示されていれば、起動OKです。



【管理画面での設定】

まず、電源管理をするユーザを作成します。

# groupadd ups
# useradd -g ups pwrchute

パスワードを必ず設定します。
# passwd pwrchute
(ここでパスワードを2回入力して設定します。)


いよいよ管理画面を表示します。
X-Windowを起動してください。

# startx

「root」で起動すると警告が表示されますが、
問題ありませんので警告を閉じてください。

画面左下の「足型」アイコンをクリックしてメニューを出し、
中ほどの「ファイルマネージャ」を選択します。
必要に応じてウィンドウを拡大してください。


「/usr/lib/powerchute」ディレクトリを表示します。
「xpowerchute」をクリックして管理ツールを起動します。

UPSの接続されたPCの一覧が表示されますので、
自分のマシンを選択してください。

パスワードを聞いてきますので、先のユーザ「pwrchute」の
パスワードを入力してください。

これでやっと管理画面が表示されます。
電圧等がグラフで表示されます。

試しにセルフテストをしてみましょう。
「Diagnostics」→「Initiate UPS Self Test」を
選択するとセルフテストが実行されます。

ログファイルのサイズを倍にしておきましょう。
「Logging」→「Log Options」を選択します。
イベントログとデータログのサイズを
デフォルトの「50000」バイトから「100000」バイトに変更し
「OK」をクリックします。


商用電源が90V以下になるとバッテリーに切り替わります。
電源の配線容量が不足していたりすると、実際に90V
を割ることはけっこうあるようです。(特にレーザプリンタ
動作時)

シャットダウンのスケジュールは
「System」→「Schedule Server Shutdown」でできます。

シャットダウンのテストは
「System」→「Shutdown Server Now」でできます。


※通常、停電になってもすぐにシャットダウンは
 走りません。一定時間経過後、シャットダウンが走ります。
 シャットダウンが完了したかはUPSではわからないため、
 一定時間後に電源をOff/ONして再起動するようになっています。
 よって、LinuxがAPMが効かずに電源までおちなくても、
 UPSからの電源ONで立ち上がりさえすれば、
 自動的に再起動できます。(UPSがPCへの電源供給を
 OFF/ONしてくれるので)

これで何かと安心してサーバ運用できますね。