文部科学省委託事業
総合型地域スポーツクラブ 育成推進フォーラムinふなばし
報告
【基調講演】
講演者:植田辰哉氏(全日本男子バレーボールチーム監督)
演 題:「可能性への挑戦 〜
私の歩んだ道 〜」
植田監督は、吉本興業に友人が多くいるということで、話し方が上手く引き込まれる内容でした。会場に中学と高校でバレーを行っている子ども達が多くいたことから大人向けの話をわかりやすく話していただいた。
ただし、内容としてはバレーボールの監督として「マネージメント」について深く学習していることから大変興味深いはなしでありましたので、印象に残ったことを記録し報告します。
@全日本男子チームの強化策はSWOT分析から「スタッフサイドの理念」
S(specific) 目標は具体的に
M(measurable) 測定可能な(目標達成可能な)
A(action-oriented) 行動をイメージする
R(realistic) 現実的に
T(timed) 時間を区切って(いつまでに達成するのか)
※ 北京オリンピックまでに与えられた時間を遡って、目標と達成時期を明確に して行動することから全日本チームの建て直しを図った。
A日本を代表する選手に心構えを伝えた。
・喫煙・茶髪の禁止、食事の摂取方法と日本を代表する選手として、見本となる
行動を求めるために説明し納得させた。
(青少年達は、好き嫌いをしないでしっかり正しい姿勢で感謝の心で食べること)
・言葉遣いについても、しっかりと自分の言葉で自分の意見を伝えることが大切
であることを伝えた。
・現在の若者用語として頻回に登場する「ヤバイ」・「ビミョー」だけで表現する
思考回路では世界で勝てない。(世界に行ってわかることは、日本の教育で最も
不足しているのは言語教育で自国の言葉を使えていないことなので青少年達は
しっかり勉強すること)
B 誉め方の正誤
お母さんが子どもへ「テーブルを拭いて」とお願いし子どもが「テーブルを拭いた
時」の誉め方として大切なことは、「○○ちゃんえらいね。助かったよ」と人格を
誉めると誉めてくれる人がいない時は、誉められる行為をしなくなる。しかし、
「テーブルがきれいになったね。よかったね。」と行為を誉めると誉めてくれる人
がいなくても誉められる行為を自然とできる人になる。
C 指導者として「学ぶことをやめたら教えることをやめなければならない」
D Players First(現場を知ることが大切)
植田監督の講演は、クラブ経営に通じる話が多くありました。
パネルディスカッション
「地域スポーツの楽しさ 〜 みんなが集う楽しみのススメ 〜 」
パネリスト 佐藤直子氏(プロテニスプレーヤー)
田淵章治氏(船橋市大穴スポーツクラブ会長)
松田雅彦氏(大阪教育大学付属高校平野校舎教諭)
コーディネーター 松澤淳子氏(早稲田大学スポーツビジネス研究所)
パネルディスカッションの概要
佐藤さんからスポーツの楽しさをトップアスリートとしての体験を踏まえて話してもらった。特に、佐藤さんのお母様が80歳の現在も毎日テニスをしていることを紹介していただき、スポーツを一生できることを強く伝えてくれた。
また、世界で戦った経験からトップアスリートになった人たちとの交流からテニスの世界でもトップで活躍した選手の多くは、小学生世代の時に複数の種目を体験していることをドイツのシュテフィーグラフさんの例(乗馬のスキーも一流)を紹介しながら話てくれた。
田淵会長から、大穴地域にスポーツクラブができてから住民の健康増進につながりグランドゴルフの会員が高齢者を中心に300名以上いることが紹介された。定年後の男性が地域にデビューするサポートになっている様子が印象に残った。
松田氏からは、なぜ、現在の日本に総合型地域スポーツクラブが必要なのかをわかりやすく説明していただいた。特に、人と人のつながりが希薄になっている現在の状況をスポーツ等をツールとして地域のつながりを再構築する必要性を伝えた。
また、スポーツと文化活動は別物ではなく、一つのものであり、「スポーツ文化」であるべきだと話していた。
佐藤さんと松田氏から新町スポーツクラブのユースボランティアの様子が報告され、会場にいて少し誇らしく思うと同時に、今後の活動に対して緊張もした。
最後に松澤コーディネーターから総合型地域スポーツクラブがもたらす公益は、健康増進になり、幅広い年齢層の人たちがスポーツ文化によって交流して地域の絆を深める楽しい場所であることを話した。また、今日の話を聞いて総合型地域スポーツクラブに対して興味を持った人たちに対して、情報提供する部署について紹介して終了した。
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