高橋元吉
ああ空遠くながれ去る河のごときものあり
水をかすめつつ飛びゆく鳥のごときものあり
高浜公園(県庁の北西)にある詩碑
1966年5月設置草裡Tより 題名なし 木犀の匂ひ
木犀が咲き出すと
水晶製の空気がどこからともなくながれてきて
すべるように音なくながれてきて
時によるとほかのものがみんな消えてしまって
ただ木犀の匂ひだけが
地球のうへをながれてゐることがある。前橋子ども公園 文学の小道
1975年11月設置
高橋元吉(1893−1965)は前橋市曲輪町で生まれた。前橋中学校卒業。大正初期、武者小路実篤、柳宗悦、千家元麿、長与善郎ら白樺派の文学者との交友を深め、地元では萩原朔太郎と思想・文学について往復書簡を交すなど相互に影響しあった。長兄の死後煥乎堂書店の経営にたずさわりながら詩作を続け、大正11年には第一詩集『遠望』を刊行し、大正12年には、詩集『耽視』を、昭和6年詩集『耶律』を刊行した。1963年『高橋元吉詩集』(1962年)で高村光太郎賞を受賞した。
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