子供が少し成長して言葉を話すようになってきたら子供の話をよく聴いてあげてください。
子供は自分の発しているメッセージに対して親が感心を示して受け止めてくれるまで何度も何度もしつこく話しかけます。
例えば子供が「ねえおかあさん、(積み木で)おうちができたよ。」といったときお母さんが他の事で忙しかったりして適当に応答すると「ねえねえおかあさんてば。おうちだよ。ほらみて、おうちができたよ」と何度も話しかけると思います。
これは、自分の発しているメッセージがお母さんにとって重要な事だからではありません。自分に関心を示してもらいたい、自分の事を認めてもらいたいというメッセージです。
大人だって、自分のやった仕事の成果を人に話したときに、相手が関心を示してくれなかったり、適当に応答されるとショックを受けると思います。なぜ自分の仕事の成果を話したいのかといえば、自分に関心を示してもらいたい、自分のやった事を認めてもらいたいという気持ちがあるからではないでしょうか。そしてなぜショックを受けるのかといえば、「あなたがなにをしていようが興味ないわ。あなたのやっていることに価値を感じてないわ」という暗黙のメッセージを感じるからではないでしょうか。
子供も同じです。お母さんにとってはくだらないことだったり、大したことではなかったとしても、子供の話を真剣に関心を持って聴いてあげることで、子供は「自分の事、自分のやっている事を認めてもらえた。」と感じることができます。
この時期に子供が親に対して伝えようとしているのは、事柄メッセージではなく、感情メッセージです。
ですから、この時期の子供の話は、内容に意味があるとかないとか、価値があるとかないとかという判断をせず、「子供は自分のやっている事を、親であるわたしに受け入れてもらいたいという気持ちで話しかけているんだな」という気持ちで子供の話を聴いてあげてください。
親がこのように子供の話を聴いてあげることで、子供は「自分のやっていることは受け入れられている」「自分のことに関心を示してくれている」「自分のことを大切にしてくれている」「自分のやっていることは価値のあることなんだ」と感じる事ができて、自己肯定感を高める事ができるようになるのです。
もちろん、忙しくて子供の話を聴いてあげられない時もあると思います。そんなときは「あとでちゃんと話を聴いてあげるからね」というように言葉をかけてフォローしておいてください。そうすれば親も負担にならないと思います。
「子育てはじめに」にも書きましたが、親の立場で読んだときに「こうしなければいけない」と思ってしまい、できていない自分自身の姿と比べて自分を責めないで下さいね。
親が楽な気持ちで生きること、そして自分自身を許してあげることは、とっても大切なことなのです。そうした親の態度は子育てにとってきっとよい影響となるはずですから。
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