日々の抄

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 代表選が終わった

2010年9月19日(日)

 民主党代表選挙が終わった。結果は多くの国民の望むものと同じとの評価であった。民意が反映されたと思われる理由は,選挙の方法にありそうだ。党員・サポーター300,地方議員100,国会議員822ポイントが与えられているから,国会議員だけ,つまり永田町の論理だけでは代表は決められないということだ。菅:小沢の票は,合計で721:491。党員・サポーターは249:51,地方議員60:40で,国会議員の412:400の結果は民意を代表するであろう党員・サポーターとの乖離は大きなものがあった。世論調査の結果も菅氏有利を伝えていた。
 乖離の理由は簡単だったようだ。選挙で小沢氏に世話になった「恩を返すため」などという理由が大きかったらしい。その代表は途中降板した前首相の鳩山氏である。首相になれたのは小沢氏のおかげ。恩返ししたいという旨の発言をし,党内融和のために代表選挙を回避するべく小沢氏を然るべきポストに就けた「トロイカ方式」を提案。菅氏に拒絶され立場を失い,「ボクはいったい、何だったんでしょうね」とボヤいているが,そもそも,沖縄問題で引責し首相を辞任したときに次期選挙には出馬しないと宣言した人物が出しゃばる立場にないことを忘れていることに問題である。
 そもそも小沢氏は政治と金の問題を抱え,「検察から疑いを晴らして貰っている」と発言しても,嫌疑不十分という灰色の結果から,国民の多くは「疑いが晴れたと思ってない」のである。その小沢氏が鳩山氏とともに3ヶ月前に幹事長を辞任してから何も事情は変わってない。小沢氏が代表選に出ることに問題を感じないわけにいかない。

 菅氏が代表選に勝利したといえど,消極的勝利と考えるべきである。たった3ヶ月で首相を変えることで国際的信頼を失うわけにいかない,小沢氏に任せるわけにいかないなどが大きな理由であり,積極的に菅氏を評価しての結果ではないだろう。小沢氏を推挙した人びとの中には,経済的,政治的に国難ともいえる今の時期に「豪腕をふるって貰えば何かが変わるのではないか」との淡い期待があったらしいが,はたして何かがいい方向に変わるのか。かつて,「自民党をぶっ壊す」との勇ましい言葉に乗せられ,当時の国民が「何か」を期待した結果,現在の疲弊した日本にしてくれた小泉氏を想い出さないわけにいかない。マスコミも挙って小泉人気を高めたことも忘れるわけにいかない。

 最近は政治が見世物化している感を拭えない。マスコミもタレントの動向を追うのと同じ趣で,代表選を初めとして伝えているのはどんなものなのか。小沢氏が夕飯をどこで何を食べたかなどということを公共の電波で伝えるべき事なのか。政治家が頻繁にマスコミに登場することにも大いに違和感がある。個人の立場でTVに顔を出し,所属している党を公然と批判して喝采を浴びたり,時代劇の変装をして得意満面になっている姿を見るにつけ,政治家の品性のなさと程度の低さを感じないわけにいかない。マスコミは安易に政治家をバラエティー番組に出すべきではない。

 菅氏が国内外で山積する課題にどう対応していくかを見守りたい。代表選で連呼していた,「雇用」問題は,具体的な成果を早急に見せなければならない課題である。小沢氏に投票した議員が,国会議員票で互角だったのに「小沢外しの組閣」をしたと非難しているらしいが,代表選での党員・サポーター票が249:51だったという民意を忘れ,議員ボケしていることに気づくべきである。

 仕事をしたくても仕事に就けない,子どもを産みたくても生めない。などという国を支える基本的な国民のささやかな希望に応えるのが政治なのではないか。

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