日々の抄

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 政権は末期なのか

2011年2月27日(日)

 年度末を控え、政治が停滞している。国会審議を見ると与党は財源確保がなされてないと非難されながらも衆院を強行通過させようとし、野党は小沢問題を始めと、政権の失策、あら探しに腐心し、平成23年度予算案、関連法案の衆院通過を阻止するという。昨今の政治劇の印象は足の引っ張り合い、あら探し大会であり、到底逼迫している国民生活を考えているとは思えない。政治家、政党が自分たちの自己主張をしているだけにしか見えない。
 今や菅内閣が瀕死の状態であると伝えられているが、毎年のように首相が替わる現状を政治家はどう考えているのか。民主党内の大きな問題は、自分たちで選んだ代表である首相がこの国を窮地に追い込んでいるかのように吹聴していることは不思議きわまりない。菅内閣が国民のための政治をしてないからとして16名の民主党員が会派離脱を主張している。不思議なことに彼らのいずれも多くの国民に知られてない顔である。比例代表の末席に近い状態で選ばれたから頷けることだが、会派離脱の大きな大儀は、裁判終了まで小沢氏を党員資格停止という理不尽な処遇がなされことへの抗議という。
 一見すると正義の味方のように見えるがやっていることは違うのではないか。小沢氏の「政治とカネ」の問題に国民の7割近くが小沢氏の国会での釈明を望んでいるにも拘わらずこれに応じようとしないことに対してこれら16名はどう答えるのか。
 もっと不思議で呆れるのは鳩山前首相の言動である。「最強の体制と首相が胸を張るほど国民は期待してない」、北方領土問題で「4島同時に返せというアプローチでは未来永劫平行線のまま。2島プラスアルファだ」と政府方針に反する発言、沖縄問題では、米軍普天間飛行場の県外移設を断念し、県内移設を決めた理由が「抑止力」だったことは「方便だった」、など明らかに菅内閣の足を引っ張り,考えようによっては野党を利する行為に走っている。自らのいい加減さから沖縄県民に大きな失望を与えたあげく首相を続けられなくなったことの反省が全くなくクラス委員を外されて拗ねているいる姿に見える。彼はもうマスコミに向けた発言はやめるべきで、議員を一日も早く辞することが国益にかないそうだ。選挙に出ないと言ったり出ると言ったり全く信用できない言葉を発する信頼性のない人物である。

 現状では何ら話が前に進みそうにない。首相が辞任すれば済む問題ではない。内閣解散、衆院が解散されても民主党が批判されているわりには自民党が政権を単独でとれるほど支持されてないことを考えれば、選挙で無駄なカネを使うべきではない。混迷を深めるのみ。
 予算編成で財源に問題があるなら野党は具体的に対案を示し熟議すべきである。与党は実現不可能なマニフェストを国民の前で謝罪し方向転換すべきである。子ども手当を貰えるであろう当人たちが、そのつけが将来身に返ってくることを知っている。高速道路無料化のつけを車に乗らない高齢者にまわすのはおかしい。物流コストダウンに繁栄されているが,それを示すデータを見たことはない。エコ対策と言いながら車、家電業界に莫大な利益をもたらしながら、それが雇用につながったのか、景気回復にいかように反映されたのか見えない。

 もういいかげん揚げ足取りの政治をやめにすべきである。相手に罵詈雑言を浴びせて非難していることが自らの手柄などと思っている政治家は次の選挙で支持されると思ったら間違いである。

 マスコミは連日のように菅内閣が最後を迎えているように伝えているが、後ろ馬に乗っているような報道は気分が悪い。現状が政治的膠着状態なら何が解決策かを伝えるべきである。物知り顔でコメンテーター諸氏が「もうダメですね」などと言える平和を考えるべきである。小泉劇場で、麻生待望論でマスコミは何をしてきたか考えるべきである。


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