日々の抄

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 電力の不買運動である

2011年7月4日(月)

 7月から日本中で節電モードに入った。企業も勤務日を変更し,最も電力を使用する時間帯を外すいろいろな工夫が考えられている。土日に勤務振り替えすることにより,共働きの家庭では幼児の保育を確保するために,保育園を土日にも開設する必要に迫られている。保育園に勤務する人の子どもの保育はどうなるのだろうか。

  我が家でも節電に努めている。家電製品の待機電源を必ず切る,テレビの輝度を下げ,ながら見はしない,冷蔵庫の設定温度を上げる,電灯を昼間はできるだけ点けないようにしこまめに切る,ウォシュレットの設定温度を下げてタイマーを設定する,エアコンをできるだけ使わない,などである。家中の窓に簾や遮光カーテンをつけ,南面にはグリーンカーテンを設置しているが,ゴーヤと朝顔はもう背丈ほどになっている。
 その結果,6月の電気料金は5月の24%減,原発事故と地震情報を垂れ流しでテレビを見ていた4月の約半分であった。無駄遣いがどれほどあったかと反省させられたが,4月は原発事故の不安を解消するためにいたしかたなかった。
  かなりの努力をして前月の24%減になったが,これ以上の節電はできない。さらに15%もの節電を毎月続けようとしたら,家電製品を使わず一日中布団に潜っている生活をするしかない。

  一方で,企業への節電25%は原発必要論のひとつであると考えている人物もいる。大阪府の知事である。原発不要論は賛成できるが手法と考え方が誤っている。関西電力からの要請にも節電に協力はできないと明言し,「夏のピークにエアコン切れば原発は止まる」とし,エアコンを必要としなければ原発など不要という。25%節電に根拠がないとしている一方で,自らのエアコン不要論が原発不要の根拠になる根拠はどこにあるのか。大規模停電になりそうだったら,大阪府民にエアコンを止めるよう要請するから,とも言っているが,酷暑の時間帯だからこそ大規模停電の恐れが生じるのだろうから,府知事が要請したらからと言って,直ちにエアコンを一斉に止められるはずがない。余りにも非現実的な挑発的な対応と言わざるを得ない。府民の健康を考えれば無謀な発想である。
  その府知事が勤務する大阪府と奈良県、4政令市は、本庁舎などの電気を関西電力から購入しておらず、節電には直接結びつかないことがわかった。初耳である。大阪ガスなどが出資する電力小売会社「エネット」の電力を使っているのだそうだ。停電危機の折りの「エアコン停止作戦」には貢献できず,府民だけに負担を要請するという虫の良さには呆れる。橋本知事は大阪府を大阪都にしたい考えで,東京都の石原知事に同意を得ようと会談を申し入れたが,「国のキャピタル(首都)とは国家元首がいて国会があるところ。日本語としても混乱を招く」と窘められたものの,「副首都なら結構ですよ、頑張りなさい」と言われ,「副首都にするということが確認できたのは計り知れない意義がある」と自画自賛している。どう見ても兄貴分に自分を認めて貰った自己満足しているヤンチャ坊主の感は否めない。首都機能構想が地方の一知事の考えでどうこうできると思っている発想が思い上がりである。こと,深刻な節電問題で,自分を売りこまんが為の考えと行動は控えるべきである。聞こえのいいことをすれば府民が喝采すると思わせているのは大いに問題である。

「我が家の節電は,東電に協力するのではなく,東電に対する抗議を込めた不買運動である」ということを最後に言っておかなければならない。

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