日々の抄

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 見え透いた給付金はやめるべし

2015年12月12日(土)

 政府は7日、65歳以上で、住民税が非課税であったり、年金収入が少ないひとなどに、一人3万円を配る「臨時給付金」を来年の前半と後半の2段階に分け、1250万人に配るそうである。経済の下支えを目的とするそうだが、配布時期が来年夏の参院選の前後ということから、どう見ても選挙目的のバラまきとしか思えない。この配付金は総額3750億円である。

 たった一度だけの政府からの「お恵み」としか思えない3万円の金を貰って、生活の足しにできると思っているひとが何人いるだろうか。1年で換算すれば月に約3千円。日に換算すればたったの100円である。「小遣いをやるから投票しろ」と言わんばかりの給付金に怒りを覚えているひとも少なくないだろう。
 
 新聞の投書に『安定した継続収入がなければ、消費に回そうという気持ちにはならない。私なら、3万円もらっても病気やけがの出費に備えて貯金する。それだけ年金生活者は将来に不安をもっているのだ。3万円配れば消費に回って来年前半の民間消費を下支えするなどというのは、今の生活に困っていない政治家や役人の発想だ。そんな財源があるなら、介護や少子化対策など社会保障分野に手厚い予算を組んで、我々国民に将来への安心感を与えてほしい。目先の一時金は「猫だまし」のようなものだ。ばかにしないでほしい。』
 というものがあったが、全くの同感である。「猫だまし」は落ち目になった横綱だけにして貰いたい。

 3万円を配って国民総活躍などとは笑止千万。ちゃんちゃらおかしい。国民は政権が考えているほど愚かではないことを示さねばなるまい。政府は姑息なことを考えないことだ。ただ、選挙が終わった後も3万円を毎年配るなら別の話である。


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