首都の弱点を見た |
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2016年10月18日(火) 10月12日午後3時半ごろ、地下に設置された電力ケーブルの漏電が原因と思われる火災による大規模な停電が都内で起こった。火災が発生したのは埼玉県新座市。影響があったのは豊島区や練馬区を中心に都心部を含む約58万6千戸だったという。 停電の影響は、都心中心部の広い範囲に及び、東京地裁や国土交通省、文部科学省など霞が関の中央省庁も一時停電し、西武鉄道は12路線のうち池袋線など10路線で一時的に運転を見合わせ、都営地下鉄大江戸線でも一時運行できなくなった。停電によって人がエレベーターに閉じ込められる事案が都内で51件発生したものの、大部分は間もなく救出され、けが人はいなかったという。また、新宿、杉並、練馬、板橋、港、中野、北の各区などで計約200カ所の信号機が一時機能しなくなり、警察官の手信号で対応した。 東電などによると、新座変電所と都心にある変電所をつなぐ電力ケーブルが通る「洞道」と呼ばれるトンネル内、新座変電所から約1・9キロ離れた場所で火災が発生したとみられるという。洞道への出入り口から黒煙が噴き出し、事故が明らかになった。火災発生からおよそ1時間後に停電は復旧し、7時間後に鎮火したという。新座変電所は無事だったため、新座市周辺はほとんど停電にならなかったという。 火災の原因の詳細は調査中というが、判明していることは、火災があったのは「OFケーブル」という古いタイプで、内部で電気を通す「導体」に絶縁紙が巻き付けられているもので、約35年前に設置してから一度も交換しておらず、経年劣化が原因と考えられているという。 東電によると、2012年末の管内のOFケーブルは東京都内を中心に総延長約1400キロ。このうち15年末時点で35年以上経過しているのは約千キロに上るという。このタイプは劣化などで絶縁紙に損傷があると漏電して火花が生じ、紙に引火するおそれがある。 今回の事故でいくつか気にすべきことがある。 東電が発表しているように、35年経過している数千キロにおよぶケーブルのどこからでも、同様の火災が発生してもおかしくないということ。 (参考までに:35年前とは1981年=昭和56年。「ノストラダモスの大予言3」 「ルビーの指環」「意地悪ばあさんTV版」が、はやっていた) また、事故発生の後、都内の22箇所におよぶ変電所の位置が報道された。今回はフェンスで囲まれた変電所で発生したが、進入する意図があれば入り込め、また、あちこちにあるマンホールから洞道に進入することは可能であるという。ということは、悪意を持って騒乱を起こそうと複数箇所でケーブル火災を企てれば、首都機能を壊滅させることが可能であることを世間一般に知らしめたことだ。 今回の火災がなければ、都内の地下にこれほどの送電ケーブルが配置されていること、その位置を知ることがなかったかもしれない。明らかに、首都の大いなる弱点がむき出しにされたことは恐るべきことである。はたして、変電所の位置を広く知らしめる必要があったのか、疑問である。同様にして致命的な弱点になりそうなのは都市ガスの配管である。その要所が知られれば、容易に首都を火の海にすることができるのではないか。 報道の自由、知る権利などということがいわれるが、テロ行為につながりかねないことまで詳細に伝えていいものか、考えものである。電気を使えるのが当たり前であると思うのが間違えであることを実感した事故だった。 現代社会は電気なしでは成り立たない。 |
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