日々の抄

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 10連休がどうした

2019年5月1日(水)

  日本にとって歴史的な、4月27日から始まり5月6日に至る10連休が進行中である。改元に伴う祝日に挟まれた日を祝日にするなどという、わざとらしい理由で大型連休を作って、政権が「国民のためになり、喜ぶだろうから」などと思ってのことだろうが、実態はどうなのか。

 10連休について、「うれしい」36.5%(とても9.3%、まあうれしい27.2%)、うれしくない41.0 %(まったく14.8%、あまりうれしくない26.2%)
 連休を、とれるとした数は32.4%、全くなし15.0%、
 今後も国主導で長い連休を作るべきかに対し、そう思おう29.9%、そう思わない66.8%、
という調査結果が出ている(18歳以上男女2000人の時事通信4/13調査による)。
また連休を、 自宅でゆっくりしたい74.7%、国内旅行15.4%、帰省する14.9% (明治生命調査)という結果が出ている。

 連日のようにマスコミで国際空港での海外旅行への賑わい、高速道路の混雑などが放映されているが、これらは、大型連休でも休めない、保育、流通配送、個人商店(クリーニングなどはこの時季が最もかき入れ時)などを例外とした、「勝ち組」についての報道にしか過ぎずに見えて腹立たしい。マスコミは、大型連休中も休めない人々をなぜ報道しないのか。

 為政者はことしに限らず、大型連休中に海外出張に勤しんでいる。是非とも、国会を含み地方自治体の議員先生達の、視察結果を公にしてほしい。ネット情報に基づくコピペの報告をしている輩は、税金泥棒と思いたい。

 政権は、大型連休を企てたことが、多くの国民に支持されたなどと間違っても信じないことに念を押しておきたい。大型連休をうれしいと思っている国民が4割にも満たないこと、大型連休中も社会を支えている多くの人々がいることに敬意を忘れないでほしい。

 日給で生活の糧を得ている人が、ひと月の1/3の収入を得られずにいることを考えられない愚かさを知るべきである。 非正規労働者が労働人口の4割にも達していることが政治の大いなる責任であることも再確認すべきである。

 改元、大型連休での経済効果は、数兆円と伝えられているが、一方で非正規従業員の連休での損失は556億円と見積もられているという(関西大・宮本名誉教授による試算)。
 何事も経済効果ではかりたがることには辟易である。全体が益を得ても生活に喘ぐ市井に密かに生きる半数以上のひとびとに思いを致さぬことができない国に明るい未来を期待できない。新元号の時代が「明日への希望と共に、日本人1人ひとりが大きな花を咲かせる」などとよくいえるものだ。

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