日々の抄

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  カタクリの花が咲いた

2004年6月5日(土)  ジャカルタに住む若者への便り

 おひさしぶり。大都会に転居したことでTVでNHKワールドを観られるようになってよかったね。日本との距離が近くなった感じかな。
 こちらで「冬のソナタ」は人気を博していますが、そちらでは喜怒哀楽を直接的に表現する方が受けいられるそうなので、日本ほど熱狂的な人気にはならないでしょう。以前は「おしん」が大人気だったとか。私は「おしん」には共感を覚えるが、「冬のソナタ」には、なんで今さらの気持ちが強い。今から20〜30年以上前のメロドラマ、例えば「君の名は」の世界だと感じている。氏家真知子になったつもりの世の女性が、後宮春樹と悲しいお話を繰り広げていくといったところだろうか。「君の名は」が広辞苑に載っているのには驚いた。

 吉井町に1月ほど前にカタクリの花を見にいってきました。生憎と行くのが少々遅くて満開というわけにいかなかったが、以前見に行ったことのある笠懸町のカタクリの花を想い出しました。日本の花は季節の移ろいを表す花時計です。そちらのように常夏の国では四季を感じることはないのだから、日本人が移りゆく四季それぞれで色、音、食べ物などを楽しむようにはできそうもないね。春は桜、夏は暑さ、秋は紅葉、冬は雪というように一年の中での変化は楽しみなこと。それがないのは少し寂しいし、一年が動いていくことをそちらではどう感じているのだろうか、知りたいところだ。カタクリの花は花弁を地面に向けていて、決して太陽を仰がないのが何とも不思議で神秘的な感じです。向日葵のように、「私は花です」と胸を張っているのとは大分様子が違うね。

 NHKワールドで見たという「どろんこ運動会」は全国あちこちでやっているらしく、ときどき映像を見ることがあります。田植え前に人が入り込んで足でかき混ぜながら田を耕す助けになっているのでしょう。賞品がお米というのもいいね。

 ことしの梅雨入りは来週あたりと伝えられていますが、きょうまで雨模様の日もあり、もう梅雨入りしてもおかしくない最今です。ただ、高気圧の影響らしいが、急激に気温が上がって30度を越える日(昨日も)があると思うと、翌日は10度も気温が下がって、体がどうしていいかついていけない感じ。きょうあたりは気温は高いものの湿度が低く、気分のいい一日でした。そちらは梅雨がなく、ほとんど高温多湿の日と聞くので、日本の梅雨など大したことのない不愉快さかな。そちらの雨季は日本の梅雨と違って一日中降雨があるのではないそうですね。スコール(驟雨=しゅうう)があるだけだそうですね。スコールが来る前の変化は日本でも前線が通過する直前の微妙な気温、湿度の変化や空模様の変化で分かるのと同じでしょう。私は30年ほど前に切開した傷口がそれを確実に感じています。

  ここ一両日、国会中継をインターネットで見続け、ほとんど本質的な論議なしに年金が改悪され、これから受給予定の人たちは大変なことになると暗い気分になっています。君の年金は大丈夫かな。
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